『一社相伝』一人と向き合う師弟関係から。
私がホクサンに入社した30年以上前は、製鋼現場は昔ながらの職人の世界で、自分の仕事を他人に取られまいと思ってか、職人が人に仕事を教えないというような時代でした。
それでも会社としては仕事が増えている状況でしたので、私は自分が身につけた技術や仕事を、新しく入った人にどんどん教えていきました。そうしないと現場が回らないからです。新人さんたちに早く仕事を覚えてもらうことによって、自分や仲間の負担が減るし、現場全体の仕事が早く進むと考えていました。
ガス切断でもクレーンの操縦でも、技術の伝達は口で言うだけじゃなくて、手取り足取り教えてきました。昭和の時代のように「仕事は目で盗め、黙って見とけ!」では、いつまでたってもできるようにならない。
技術や仕事を覚えてもらうには、まさにマンツーマンで「言って見せ、やって見せ」です。仕事を取られるなんて思いは全くなかったです。そして仕事がある程度できるようになったら、私はもうその人に任せてしまいます。
人は仕事を任せてもらって真剣に向き合ったら、自分のやり方っていうのが絶対に身についてくるものです。ただ、危ない作業のやり方をする人には厳しく言います。怪我をされると、本人も、また会社も大変なことになるので。
そうやっていくうちに、いつの間にかホクサンは「一人が一人を育てる」また「一人をみんなで育てる」ということが当たり前になった。こうなるともうホクサンの社風ですね。
いろんな技術や資格を持った先輩職人たちが新人一人ひとりと向き合いながら技術者を育成し、一人前に成長した人がまた新しい人を育てる。
このサイクルでホクサンでは単能工はもちろん、多能工の育成も自然とできています。
この師弟関係があったからこそ、ホクサンには鉱炉の解体など、他社では手に負えないような難しい案件をやり遂げた実績や知見がしっかりと継承されており、当社は『一社相伝』を掲げることができます。
一人が一人を育てるという社風と、これまでホクサンに継承された技術や知見を将来に繋いでいくことが、今の私の仕事だと思っています。

個人自由度
ホクサン職場は、安全文化の堅守精神を基軸に一致団結が図られていますが、個人間の関係性においてはプライベートには踏み込まず、個々が自分の居場所としてくつろげる、雰囲気作りに重きを置いています。
個々間の信頼関係は業務上安全行動(1人の不安全行動が全体を危険にする)や職場への相互貢献でしっかりと築かれていきますので、この2点をクリアしていれば、その他はゆる~く構えることができる自由な環境です。

コミュニケ―ション
ホクサン職場では安全活動を基軸に報連相を徹底する中のDX取り組みとして、2009年より安全活動や操業日報の即日全社共有を行っており、今日の活動軌跡を相互認知しあうことで、班だけでなく個々の存在にもスポットライトがあてられています。
また、離れた職場間の情報も得ることもできるので、社としての一体感と個人の帰属感を持てるなど、孤立しない情報環境が整っています。

技術の保持(研鑽と継承)
いわゆる専門的技能は、特殊な環境下で行われるものであればあるほど、その小集団文化のなかでこそ、継承可能であると考えます。
ホクサンではこの業界で50年以上培ってきた文化を、次の50年に向けて再構築を行い、2019年より10年の計画で技術の世代交代を進めているところであり、新たな成長モデルとして、8~10年単位のロードマップを共有しています。
参考情報:社員インタビュー